エヴァンゲリオンには、「作者死亡説」や「カッコイイけど結局どういう話なのかわからない」といった噂や疑問がつきものです。そんなエヴァは巨大ロボットであり、使徒と戦うカッコイイ対戦アニメに見えますが、実は”変な人間ばっかり”のリアルな心理劇です。
この記事では、作者の死亡説、ストーリー内容と結末を解説と考察でまとめます。
目次
エヴァンゲリオン作者死亡説の真相
エヴァンゲリオン作者の死亡説は完全なデマで、庵野秀明監督は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』まで完結させています。にもかかわらず死亡説が浮上したのは、90年代当時の鬱状態やテレビ版最終回が「あまりのカオスっぷり」などの声があがったからだと考えられます。
また、エヴァ自体が”監督の心を削って作られた作品”というイメージも強く、ドラマチックな物語としてファンが盛ってしまった面も大きいでしょう。実際、庵野秀明監督は鬱から回復し、『シン・仮面ライダー』『帰ってきたウルトラマン』を手がけています。
エヴァンゲリオンは結局どういう話?
エヴァンゲリオンは、巨大ロボットで使徒と戦うカッコイイアクションアニメの裏で、”不器用で未完成な人間たち”が織りなすリアル心理劇です。2000年のセカンドインパクトで世界が激変した後、謎の生命体使徒が襲来し、シンジ・レイ・アスカはエヴァに乗り込み戦います。
NERV本部では人類補完計画が水面下で進行中、ゲンドウやミサト、リツコなど大人たちもトラウマを抱えながら脆く生きています。エヴァの暴走シーンやA.T.フィールドは人間の心情を表すものでもあり、大人も子どもも弱い部分丸出しの人間ドラマなのです。
シンジの心理がリアルすぎ
「逃げちゃダメだ」が無限ループするシンジは、父ゲンドウに捨てられたと思っているのに認められたい、レイに惹かれるのに怖い、アスカはムカつくのに気になる。このシンジの矛盾だらけの心のジェットコースターは、10代どころか大人も共感しかありません。
シンジにとってNERVは戦場であり唯一の自分の居場所でもあり、他人と関わりたいけどうまく向き合えない、現実の人間関係あるあるを14歳の少年に凝縮した神演出です。シンジを見ながら「自分も逃げちゃダメだ」と思わされる、リアルすぎる心理ドラマがエヴァの真骨頂です。
暴走シーンのカッコよさ
特に初号機が初めて暴走した第3使徒サキエルとの戦闘シーンは鳥肌もので、シンジの感情がトリガーとなり碇ユイの魂が覚醒、エヴァは自らの意思で動きます。瞳が光り大きな口を開けて咆哮、とてつもなく強い、この”人間の感情が兵器を支配する”場面が震えるほどカッコイイんです!
他のロボットアニメでのパイロットが操る兵器とは違い、エヴァはパイロットの心が暴走を呼ぶ生き物。このカッコよさの秘密は”人間の弱さが爆発する”点で、普段ヘタレなシンジの感情が巨大な破壊力に変換されるカタルシスです。
使徒と人間の弱さ
使徒と人間の弱さの関係は、”心の壁”がバトルで可視化されるエヴァ最大のテーマです。使徒はアダム由来の「天使」でA.T.フィールド=絶対領域を持つ完全生命体、一方人類はリリス由来で「知恵の実」を得た代わりに心の壁を張り巡らせた脆い存在。
第3使徒サキエルも第5使徒ラミエルもみんな光の巨人みたいにカッコよく完璧で、人間の弱さを映す鏡でもあります。完璧な使徒と戦うことで、人間って感情のせいで脆いけれどそれが武器にもなるということが込められています。
キリスト教モチーフ解説
使徒名(サキエル、ラミエルなど)は、旧約聖書のアレンジ、アダム=第1使徒、リリス=人類母体はユダヤ伝承から。NERV地下のリリスや背中の7目はカバラの生命の樹モチーフ、セフィロトの樹も登場、深い関わりがあるようにも見えていろんな解釈があります。
庵野秀明監督は他の作品でもキリストモチーフを多用し、ノアの箱舟や十字架モチーフが度々登場します。明確にはされていないためさまざまな解釈があり、この中途半端+厨二心くすぐり効果がエヴァの世界観を深く魅せる秘訣でもあるのではないでしょうか。
エヴァンゲリオンの結末
エヴァンゲリオンの結末では人類補完計画が発動し、全人類がLCL化の海で魂融合へ。そこでシンジは「みんなと溶け合う」か「孤独な現実」を選択せねばならず、自己肯定して現実へ戻り、シンジの心の成長が描かれています。
最終回では「おめでとう」の抽象表現で、「???」な視聴者が続出しましたが、根底にはシンジが呪縛から解放されて「自分次第で世界は変わる」という気付きがあります。
最終回「ありがとう」解説
エヴァンゲリオン最終話、第26話のラスト祝福シーンはシンジの成長の最大のカタルシスです!シンジの「父に、ありがとう。母に、さようなら。全ての子供達におめでとう」は、エヴァに乗ることで気付けた感謝や成長、自己肯定を言葉にしています。
抽象アートや突然の実写混在で戸惑ったファンも続出しましたが、ここでシンジが自己肯定を獲得しました。エヴァに乗ってさまざまな事を経験し、心の補完を経て、「不器用で未完成な人間ばかりの世界で、自分らしく生きる」決意表明を共有しているのです。
なぜエヴァに惹かれるのか
エヴァンゲリオンの一番の魅力はやっぱりカッコよさで、操る兵器じゃなく、大きなロボットに心が宿る瞬間、シンクロ・暴走・覚醒に魅了されます。それだけではなく、誰もが抱える心の弱さが丸出しで、完璧なヒーローが不在の世界で自分を投影できる共感性にあります。
キャラクターたちもそれぞれに魅力があり、「弱くてもいい、自分のために、自分らしくていいんだ」と勇気をくれる。このカッコよさ+人間臭さ+謎解きの三重奏が、エヴァが世代を超えて愛され惹かれ続ける理由ではないでしょうか。
まとめ
エヴァンゲリオンは25年以上経っても色褪せない伝説的作品であり、作者死亡説から始まり、カッコよさ・心情・最終回まで唯一無二の深みが詰まっています。最大の魅力は”人間らしさ”の肯定、心の弱さを曝け出しながら自分らしく生きる勇気をくれます。巨大ロボに宿る感情のシンクロ、考察しきれないストーリー展開が世代を超えてファンを魅了し続けるのです。


