鳥のように空を飛んでみたいというのは、昔の人にとって大きな夢でした。
技術の進歩によりそれが可能となっている今、パイロットというお仕事に興味を持ち、目指している方も多いのではないでしょうか。
パイロットというと飛行機のイメージを持っている人もいるでしょうが、ヘリコプターが好きで「自分のヘリを持ちたい」「パイロットになって自分で操縦してみたいと」考えている人もいらっしゃるかと思います。
今回はそんなヘリコプターのパイロットになるにはどうしたらなれるか、その方法について詳しく解説します。
ヘリコプターパイロットとはどんなお仕事?
ヘリコプターパイロットとはその名の通り、ヘリコプターを操縦するパイロットのこと。
ドクターヘリなどの操縦を行ったり官公庁や自衛隊のヘリを操縦したりするのもヘリコプターパイロットのお仕事です。
どんな方が適しているのか?
ヘリコプターパイロットは、複数のことを同時進行で進めていけて、協調性があり、自己管理能力が高い人材が求められます。
また、ヘリコプターパイロットとして働く場合、大きな責任感も求められます。ちょっとしたミスを見逃してしまうと、思わぬトラブルにつながることもあるため注意が必要です。パイロットとしての責任を常に持ち、きちんと業務を行える方が適しているといえます。
そして何より空を楽しむことも、ヘリコプターパイロットをやる上では重要です。高いところが平気な方や飛行機に乗るのが好きな方であれば、ヘリコプターパイロットとして大いに楽しみながら働いていけるでしょう。
どんな資格が必要?
ヘリコプターに限らず、航空機の操縦士になるためにはまず、資格が必要です。
ヘリコプターパイロットの資格は大きく分けて自家用操縦士と事業用操縦士の2種類があります。趣味でフライトを楽しむだけであれば自家用操縦士で可能ですが、日本国内でプロのヘリパイロットとして就職を目指すのであれば、事業用操縦士の免許が必要です。事業用操縦士免許は国家資格で、国土交通省が管理を行っています。
それぞれの免許をどのように資格を取得していけばよいのか、あとで詳しくみていきましょう。
免許を取得できる身体的資格・年齢
パイロットとして安全に操縦するためには、心身ともに健康でなくてはなりません。そこで、航空法により航空身体検査を受けることが義務付けられており、検査は指定機関にて受診します。この検査をパスすると操縦練習許可書が発行され、飛行訓練を開始できます。
航空身体検査の項目は視力・聴力・心電図・脳波等です。普通に生活できている人であればおおむね問題なく、眼鏡やコンタクトレンズの使用も認められています。しかし、オルソケラトロジーやレーシックなどの視力矯正歴がある場合は合格できません。また、検査は毎年受ける必要があります。
自家用操縦士免許取得のための訓練は、16歳から開始することができます。試験を受け資格が取得できるのは、自家用操縦士の場合は17歳以上、事業用操縦士は18歳以上です。
【参照】免許所得までの流れと費用
女性でもパイロットを目指せるの?
もちろん、男性・女性にかかわらず資格取得は可能です!
「パイロット」と聞くと、以前までは男性がなる職業というイメージが強くありましたが、男女雇用機会均等法が新しく変わったことを機に、女性でもヘリコプター免許や飛行機免許をとる方が増加しました。さらに、女性用のパイロットユニフォームが作られたり、女性クルーだけのフライトイベントが行われたりなど、 航空業界では女性にフォーカスした動きもあります。
また、女性でパイロットを目指したいという方が増えていることから、女性専用のコースを設けているスクールもあります。女性専用コースでは女性が教官となり、授業を理解しやすいように進めているところも多くあります。同性から教わりたい方は、女性専用コースがあるスクールを利用するのもよいでしょう。
ヘリパイロットを目指す方は視力に注意!
ヘリコプターパイロットになるにはまず、航空身体検査に合格しないといけません。航空身体検査にはいくつかの項目がありますが、パイロットを目指す前に特に押さえておくことが視力検査です。
【視力検査に受かるための条件(どちらか一つ)】
- 各眼が裸眼で 0.7以上、両眼で1.0以上の遠見視力があること
- 規定を超えない範囲での常用眼鏡で0.7以上に矯正ができること
眼鏡やコンタクトを使用している場合でも、数値をクリアしていれば問題ありません。
ただし、上記の基準を満たしていても、内容によっては不適合の場合もあるので、事前に検査マニュアルをしっかり確認しておきましょう。これまでレーザー手術を受けたことのある方は、基準を満たしていても検査に通らない場合があるので注意しましょう。
どのような経験が必要?
事業用操縦士免許を取得するためには、ある程度の操縦経験が必要だと前述しましたが、どのような操縦経験が必要なのでしょうか。
まず、飛行時間の条件があります。ヘリコプターのパイロットになるためには、総飛行時間150時間以上という条件をクリアしなければいけません。
また、これ以外にもいくつかの条件があり、これらの飛行経験を積むことが事業用操縦士の試験を受けるために必要な条件です。条件を満たしていないとそもそも試験を受けることができないので注意しましょう。詳しい条件については詳細ページにて記載いたしました。
【参照】免許取得までの流れと費用
どのように経験を積めばいいの?
飛行経験を積まなければ試験を受けることができない事業用操縦士免許ですが、ヘリコプターの操縦経験をどのように積めばいいのかわからないという人もいるでしょう。
基本的には、パイロットを養成しているようなパイロットスクールに入学する、航空大学などの専門的な学校に進学するというような方法があります。パイロットになるためのスクールは、非常に高額な費用が必要になります。スクールにもよりますが、大体1,000万円以上かかってしまうのが一般的です。ヘリコプターの操縦士を求めているような航空会社では、奨学金制度を設けているところもありますので、調べてみるといいでしょう。
ヘリパイロットになるためには、操縦経験だけでなく学科試験の勉強も必要になります。スクールでは学科のための授業などもありますから、パイロットを目指すためにはパイロットスクール、または航空大学などで学ぶのが何よりの近道です。奨学金制度などを導入している航空事業会社もあるので、調べてみてください。
ヘリパイロットの就職先
事業用操縦士免許を取得した後は、その免許を活かして就職活動をすることになります。
ヘリコプターのパイロットの就職先としてはまず、官公庁が挙げられます。海上保安庁や警視庁、地方の警察、消防庁、防災関係など官公庁の就職先は多くあります。官公庁への就職メリットとしては安定性があるということでしょう。
そのほかには、民間の航空事業会社という選択肢もあります。航空会社というと大手のエアラインを思い浮かべる方も多いでしょうが、ヘリコプターに特化している航空事業会社も多く存在しているのです。自家用機会社でパイロットを募集していることもあります。就職をスムーズに進めたいという場合には、できるだけ就職率の高いスクールを選ぶといいでしょう。
また、ヘリコプターパイロットの年収は平均すると50歳前後で800〜900万くらいです。免許取得までにかかる費用は多いですが、就職できた場合には高収入が見込めます。
【参照①】ヘリコプターパイロットのお仕事紹介
【参照②】ヘリコプターパイロットのお給料について